14期1回目キャンプ
6月14-15日 場所・鮎喰川

いよいよ、川の学校、本番がやってきました。
今期初スタッフで、地味~な淡水魚と、ぬる~っとしたナマズを追いかけるのが好きになったCDきょんちゃんがお送りします。
強烈な寒風吹く4月から始まり先週まで計5回、11日間の研修を終え、いよいよ子供たちを迎える日。
研修期間中、子供たちが来たら、こうして、こんなんかな、あんなんかな、、、等シミュレーションしながら準備してきたけど、さぁどういう風になるのかな。楽しみだ。

本番前日。
スタッフは前日入りして、子供たちを迎える準備をする。
大阪や岡山、遠くは鳥取から5時間もかけてくるスタッフも。
 その内の何人かは前日の昼から道具の搬入や設置、遊び場の下見をして、万全の準備態勢。
 夜11時。スタッフ全員が集まった。星空の下、ミーティング開始。
川の下見をした情報の共有と、明日の予定等の最終確認。
 明日朝は6時半から行動開始。
大きな十角テントの設置や道具の移動、それに遊ぶ場所の下見を上流から下流まで、スタッフ全員が直接、自分の目で見ておこうという意見が一致し、朝から大忙しの予感。
みんな、いつもと違って引き締まったいい表情。
いよいよ本番。子供たちを迎える心がまえはできている。
ミーティング終了後、先ほどの緊張感とは打って変わって、いつもの明るくおちゃらけた楽しい雰囲気。各自いろんな思いを胸に寝袋に入っていった。

   

本番1日目
朝、起きると清々しい天気。絶好の川日和だ。
朝ごはんを食べて、7時には下見に出発! 
上流から“流れ”をしながら、川の深さ、流れの速さ、危険物がないか、魚のいるポイントを確認する。
朝一の川は冷たいけど、気持ちいい~。
水が澄んでいて、最高!
途中、飛び込みポイントや危険な場所をチェック。
まず第一は安全なり。安全を確保しながら最大限に楽しむのだ。
下流の堰付近の川の深さや流れの強い所をチェック。
大人は問題ないけど、子供たちと一緒の時は、このルートは危険だねとか。。。

 

さぁ川の下見が終わったら、次は十角テント(川ガキがご飯食べたり、まったりするところ)の設置や道具の搬入。
日差しがきつい中、みんなで設置。 急げ急げ~
9時過ぎに設置が完了し、さぁ、いよいよ子供達が来るよ。
もう何人かは到着しているよう。
受付では子供も大人も少し緊張の表情。
はじめまして、と挨拶をしたら、まずはキャンプネームを決めようね。
どんなのがいいかなぁと相談しながら決めていく。自分の名前でもいいし、好きな食べ物でも、なんでもいい。
これから1年間川の学校では、そのキャンプネームで呼びあうのだ。
キャンプネームが決まったら、次は1人づつ写真撮影。
高校生スタッフのんは、某人気カメラマンのごとく子供たちのいい表情を撮ろうと、一生懸命。
でも当の子供たちは緊張のご様子。そりゃそうだ。知らない人ばかりだもんね。
10時頃、全員が揃ったところで、開校式が始まった。
十角テントに集まって、今年のMDくろおびが話す。
くろおび、かなり緊張の模様。それを見ていたら、私も緊張してきたよ。
がんばれ、くろおび!

次は野田校長からの開会のあいさつ。
「君たちは自由だ!」
「ここでは何をやってもいい。」
「学校で禁止されていることも、ここではやっていいことがある。
たとえば焚火をする、たとえばナイフを使う。」
「魚を捕ったら、その魚は食べる。ぼく達は本来、命をもらって生きているんだ。」
「君たちは川の学校に来ている間、川がどんどん好きになるだろう。
 成績も落ちるぞ。でも心配するな、成績はすぐに戻るから。」
・・・
校長からの話を楽しみにしていたのは、子供たちよりもわが子を川ガキに育てたいという思いを持った親御さんなのかも知れないと感じたのでした。
MDくろおびから、キャンプのスケジュールを発表。
1日目
12:00~ 昼食
13:00~ 遊びミーティング⇒遊ぶ
16:00~ 屋台村
19:00~ 夜話
以上!
シンプルだね~
川の学校では、食事の時間以外は全部遊びの時間。
朝は何時に起きてもいいし、夜は何時に寝てもいい。
 たき火やクラフトで夜更かししてもいいし、朝早く起きて水切りして遊んでもいいんだ。

 

その後は自己紹介タイム。
子供達もスタッフもキャンプネームと好きな川遊びを発表。
飛び込みが好きです。カヌーが好きです。魚つりが好きです。潜るのが得意ですなどなど。。。

 

次は自分たちが寝るテントの設営。
自分のことは自分でする。というが川の学校の基本。
テントを立てるのも自分たちで。
 班ごとにスタッフに教わりながらテントを立てていく。
 次からは自分たちでするから、ちゃんと覚えてね。
それにしても、暑い! 早く川に入りたいよ~とスタッフながらそんなことを思いながら設営。
全部で計6個のテントが張り終わったら、食事の時間。

 

食事も各班ごとに食べる。もちろんどこで食べてもいい。
テーブルを河原に持って行って食べる班、10角テントの下で食べる班。
 暑い中、キッチンさんが作ってくれた温かいご飯はやっぱり美味しい!

 

テントで着替えて、いよいよ川遊び。
まずは遊びミーティング。
スタッフが遊びの種類をいうので、自分がしたい遊びが呼ばれたら、手を上げる。 
飛び込み。釣り。流れ(川の上流から下流に流れること)。潜り(深い所に行って潜ること)。カヌー。見釣り。などなど。
みんな自分のやりたい遊びを決めたら、次はライフジャケット合わせ。
体に合うライフジャケットを着たら、キャンプネームを書いてもらって、いざ川へ。

 

この日は半分くらいが潜り班を希望。
シュノーケルが初めての子や深い所を泳げない子もいて、その子たちはスタッフと練習しながら下流に移動。
ひゃ~ 冷た~い! 
そんな声を出しながら、川へ入ってはすぐに陸に出てきてを繰り返す。
6月の川は外の暑さとは違い、まだまだ冷たい。
それでも泳ぎたいし、潜りたいし、遊びたい。
 寒くてがまんできなくなると、陸にあがって温まった岩をさがすんだよ。
 青空の下、温かい岩に寝転がったり、しがみついたりするのも気持ちいいね。
 潜るのに必要なシュノーケルクリアを練習したり、頭を真下に向けるジャックナイフの練習も。 
投げた石を川底から拾ってくる遊びをしながら練習していると、習得が早い早い。
 途中岩陰に大きな魚のしっぽが見えたので、潜り班チーフのスタッフ大樹が狙いにいく。 
いつもは穏やかな彼も、目がギラリと獲物を狙う男に。本気モードだ。
 水面に上がってきたときにはいつもの表情で、「あ~逃げられた~」。
 スタッフあきも男の子たちに潜りを教えている。彼女は川ガキ時代、とてもやんちゃで、
なまずを突くのが快感だったらしい。
 カヌーに乗ったスタッフたくやがシットオンカヌーに乗ったまま2mくらいある滝を飛び下りる。
わ~!すご~い!。みんな拍手。そして、シットオンカヌーではかなり難しいと言われるロールを披露。きゃ~と歓声(たぶん。)
さっすが一期からの生き字引というか、身体能力がサル並みというか、、、、
下流の方では飛び込み班も盛り上がっているね。
その他、カヌー班や流れ班、飛び込み班、見釣り班もすごく楽しかった~と子供達。
ひとりだったけど、堂々とカヌーがしたいと手をあげていた、いくの。
帰ってきて、スタッフいっぺーに初めてなのに上手だねと誉められたと、うれしそうに話してくれた。

 

川遊びの次は、恒例の屋台村。
普段はキッチンさんが作ってくれる食事を、この日は班ごとに自分たちで作り、みんなに振るまう川の学校の恒例行事。
メニューは、そばめし、タコライス、たこ焼き、ホットサンド、パンケーキ、フルーツポンチ&ごま団子。
熱心に作る子、途中で飽きてしまう子、作ったものが変な形すぎて大笑いする子、みんなそれぞれが協力しあって作っていく。
出来上がった班から、大声で“○○○できたよ~っ”
おなかぺこぺこの子供たち、お皿を持ってぞろぞろやって来る。
 どの班も大盛況。できた~と聞こえたら、あっという間に売り切れ。
 みんないっぱい遊んだから、おなかもぺこぺこだね。

 一緒に作って、一緒に食べて、緊張も少しづつほぐれていたかな。
みんなで片付けした後は、夜話の時間。

 昔、川ガキだった林孝典さんが昔の川でどんな遊びをしていたかを話てくれた。
 夜の河原に立つ十角テントは、川のせせらぎと林さんの優しい話声が、なんとも心地いい時間。 
聞きたいのに、眠くて、眠いけど聞きたくて、子供もスタッフもウトウトしては、目をぱちぱちしていたね。
昔は今よりずっと川がきれいで、魚もたっくさんいて、川で遊ぶ知恵は全部近所の年上の子供から教わった。 
おなかが空くと、川で捕った魚をたき火で焼いて食べたり、太め孟宋竹を切ってきて、自分たちでいかだを作って、川を下ったりした。
聞いてるだけでワクワクする楽しい川の昔話を聞かせてくれた。
 きれいで魚がいっぱいいる昔の川を知らない私は、そんな素敵な川を想像しながら、すごく羨ましいと思った。

夜話が終わり、普段ならのんびりする時間なんだけど、川の学校はまだまだ遊ぶんだ。
希望者でナイトカヌーへ。
スタッフさき曰く、「すぐ上を蛍が飛んでいる中、ライトも付けずに暗さに目を慣らしながら静かに進むカヌーはまるで…なんというか……… 極秘暗殺部隊のようだった!
粋だったなぁ~。川の水が透明だから太陽の反射がない分昼間よりも奥行きが感じられて浮いてる感じがすごかった。けいうが夜もなんの迷いもなくワニのカヌーを選ぶのがおかしかった。」 
ナイトカヌー。なんとも楽しそうじゃない。次回は挑戦するぞ。

河原ではたき火をしたり、焼き芋を焼いたり、芋を油で揚げてはちみつをつけて食べたり、それぞれ、のんびりまったりな時間。
夜遅くまで焚火を見守っていた高校生スタッフみたろう曰く、「このときに食べた焼きおにぎりの味は未だに忘れられない。ってか忘れたくない
小さな小さな火でジワジワと焼きながらじっくりと待って食べたおにぎりは絶品だった! はるともすっごい満足してたし、あれはよかったなぁ…」

2日目。
朝5時すぎにテントを出ると、すでに河原で遊んでいる子がチラホラ。はやっ。
その内、河原に置いているカヌーに興味を持ち出して乗り出したよ。
おっと、ナイトカヌーの次は早朝カヌーだ。
大急ぎで着替えて、私も出陣。
うわ~なにこれ、気持ちいい~。
朝の新鮮な空気なのか、寝起きのボーっとした頭だったからか、静かに流れる川の上にいる感覚だからなのか、とにかく気持ちよくて、そこに子供たちの楽しそうな姿が交差して、、、最高だったな~

スタッフゆいに手伝ってもらいながら、竹でいかだを作っている女の子たちも。
昨日の夜話を聞いて早速作ってみたくなったみたい。
その小さないかだに、野田さんの愛犬、はなやアレックスを乗せて、うれしそう。

朝ごはんもしっかり食べた後は、ガラ引きという漁法をみんなでやってみる。
ガラは貝ガラのガラ。
長い縄にたくさんの貝殻などの光り物をくくりつけたものを、川を横断するように張り、 みんなで等間隔に縄を持ち、 水中でガラガラ音を立てながら進むことで、音や、光り物にびっくりした魚が追い立てられ、仕掛けた網に魚をお追い込むという漁法で、 子供たちはもちろん、スタッフもわくわくしながら追い立てる。
さぁ、どうかなどうかな。
ん? あれ? 魚? あんまりいない?
今日の浅瀬には魚があんまりいなかったようで、ヨシノボリ等が少し。
まぁそんな日もあるよねっ

気を取り直し、各遊び場へ出陣!
流れ班は上流へ歩いていく。というかゆきっちは走っていく。今日の唯一の流れ班、ゆきっちは流れている間ずっとニコニコ、ニコニコ。流れては上流まで走って、また流れて、、、。
途中でターザンロープ発見。何度も何度もターザンごっこ。途中で手を放してざぶーんと水面へ。
 カヌー班が来たら、カヌーにしがみついたりカヌーから落としたり、次々と遊びが展開するよ。
 飛び込み班も見釣り班もキラキラ太陽の下、楽しそうに遊んでいる。
潜り班では、体が冷えたトモが陸に上がってきては、カヌーをずっと抱きついていた。カヌーの先端がお気に入りになったらしく、寒くなったらすぐそこにヒシってくっついて、なんとも可愛かったそう。

 釣り班では、わさびとスタッフたいじゅがワンツーマン。
 たいじゅ曰く、「わさびが7匹、俺が2匹魚を釣って楽しかったし、心を開いてくれた気がした。わさびがご飯のとき、いっぺー班の子に釣った魚を分けてあげながら、誇らしそうやった。」

   

7匹!!すごい!!

 

 キッチンから美味しそうなご飯の香りが。
お昼ごはんの時間。自然とさっき川で遊んだ話が出てきて楽しい時間。
朝のガラ引きや釣り班が釣ってきた魚のカラアゲがまわってきた。
ん??な見た目の食べ物に手が出ない子もいたりして、そのうち誰かがパクっと食べた。
「んっ!おいし~~!」
 その瞬間、手がどんどん伸びてきて、「あっ おいし~!」って言ってる。
 しめしめ、川ガキになりだしたぞ。

食事後、自分テントを片付けたら、十角テントで日記帳を書くよ。
 楽しかったキャンプの絵や、なまずの絵、飛び込み怖かったけど楽しかった~と書いてみたり。
 みんな楽しく過ごせたかな。

終わりのミーティング
MDくろおびが前に出て、みんな楽しかった? カヌーはどうだった? 飛び込みは? 流れは? と聞いていく。
釣りは何匹釣れた?との問いに、わさびは何も言わず、こぶしで自分の胸をトンとたたいた。その姿がなんとも誇らしくて、うれしかった。
まだ緊張ぎみのくろおびも“じゃあ、また!”と言ったものの、じっと子供達が自分を見ている状況に困り、なかなかうまく締めれずにシドロモドロ。
そんな姿を見てみんなで大笑い。 次回までに終わり方も練習しようねっ
 川の学校第一回は、こうして晴天と笑いの中、無事に終わりました。

あっという間の2日間。
緊張の中で始まって、気がつけばもうお別れ。目まぐるしく時間は過ぎて、なんだ早送り再生みたいだった。
今期初めてスタッフになった私は、子供達同様、川の学校が今回が始めて。
子供達がいる川。一緒に過ごした時間は何もかもとても新鮮でとても楽しくて、予想外の展開に驚きながらも、彼らの笑い声と笑顔がすごくうれしかった。
川の学校はまだまだ始まったばかり。
これからどんどん川が楽しくなって、どんどん川ガキになっていくのだ。
川の世界へようこそ。 次もその次も一緒に川で遊びまくろう!

きょんちゃん



















































































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