吉野川シンポジウム実行委員会
 
学級日誌
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第5回キャンプ 11月6・7日(吉野川中流:善入寺島)
   
第4回キャンプ 9月18〜20日(吉野川支流:鮎喰川)
   
第3回キャンプ 8月20〜22日(吉野川支流:穴吹川白人の瀬)
   
第2回キャンプ 7月17〜19日(吉野川上流:土佐町)
   
第1回キャンプ 6月12・13日(吉野川下流:第十堰北岸)
   
第5回研修 6月5・6日(直前ミーティングと研修)
   
第4回研修 5月22・23日(キャンプカウンセリング・川遊び)
   
第3回研修 5月1〜4日(実地研修・同窓会)
   
第2回研修 4月17・18日(野外生活技術)
   
第1回研修 4月3・4日(川の学校のねらい・第十堰の遊学)
   
 
  スタッフが書いてるよ  
  第5回キャンプ 11月6・7日
(吉野川中流:善入寺島)
 
   
  最終回レポートはMD(マザーディレクター)こと、わたくしさぶちゃんがお届けします。
やっと終わった、もう終わってしまった…色んなことが頭をよぎりうまくまとまらない、でもまとめなきゃね。

<悲しいお知らせ>
さて、11/6、7 第10期川の学校5回目のキャンプ。泣いても笑っても10期のキャンプはこれが最後。こどもたちにはまた沢山の想い出を持って帰ってもらおう。しかし、キャンプを始める前にこどもたちには悲しいお知らせをしなければならなかった。
「みんな知ってると思うけど、10/3に悲しいことが起きました。」
吉野川シンポジウムの姫野さんが亡くなったのだ。詳しい説明はちちに任せることにし、こどもたちには「楽しいキャンプにしようね。」とだけ伝えた。
それが彼の望んだことだと思ったから。

今回のキャンプは11月に延期され3連休がないため1泊2日になった。その分こどもたちには濃密に楽しんでもらわなければなるまい、と前日より準備・下見してきたスタッフたちの鼻息は荒い(笑)。しかし、さえぎる物がない川中島の善入寺島は寒い。果たしてこの寒さ・水温で何人のこどもたちが川に入るのか。楽しみなような恐ろしいような。。。

11/6(土)1日目
<カヌーツーリングぅ!>
11時、こどもたちを乗せたバスが到着。大きな荷物を背負いふらふらと歩いてくる。でもみんな笑顔だ。いつものようにテントを立てたらお昼ご飯。メニューは、とりきのこご飯と春雨スープ(まさか!の春雨抜き)。沢山食べろよー!昼からはみんなで8kmの川下りだー!
いつもは何をして遊ぶか各自で決めている川の学校だが、今回は全員でひとつの遊びをする。それがカヌーツーリング。そしてなんと!今回は野田校長とアレックスやハナ(犬たち)も同行するのだ。野田さんは有名なカヌーイスト、一緒に川を下るなんてめったにできることではない。こんな経験をこどもの頃にしていたら将来は大きく変わるだろうな〜。今年のこどもたちは(スタッフも!)幸せ者だ。

川に浮かんだカラフルなカヌーたち総勢50人の川下り、その風景はすごい。川に浮かんだカラフルなカヌーたち、中には二人乗りやゴムカヌーも。そしてその中に自分もいることがまた不思議に感じる。「ありえない非日常の風景の中に自分がいる現実」と表現したのはやっぴー。まさにその通り、なんとも言えない感覚。普段は単独行の多い野田さんも終始笑顔、こどもたちとのツーリングを楽しんでおられる様子。犬たちもカヌーから飛び降りて川を泳いだり岸を走ったり、元気いっぱい。そして犬を乗せてこぐこどもたちの顔は誇らしげだ。いやー、こんな経験めったにないってー!

向かい風に疲れた頃、カヌーを横に並べて一直線になったり輪になったりして休憩、そのうちその上を走り出す子が現れる。最初はとくまだ。カヌーの上を走り切ったらそのまま川の中へドボン! 11月なのに、さすが河童だ。でも濡れたら寒いでなぁ。と思っていると第一休憩ポイントでちちが焚き火をして待っていてくれた。そしてそこには遅れて参加のあんじゅも、間に合って良かったなーあんじゅ。焚き火にあたり、おやつとお茶で休憩したら再び川へ。「ゴールはぁ?」「まだ先だよ。」「えー!」なんて言いながらみんな楽しそうじゃん。

総勢50人の川下りこの川下りにはいくつかの瀬があり、もちろん多少の危険を伴う。そんな場所ではスタッフが見守りながら下るのだが、今年は瀬で沈(ひっくり返ること)した子はいなかったんじゃないだろうか。逆に「瀬は楽しい!」と沢山の水をかぶりながら下っていく子もいて、こんな子が将来のスタッフになるんだろうなぁと思う場面もあった。かと思うと何にもない瀞場(とろば、波が立っていない静かな水面)で沈する子もいたりして・・・どうやらスタッフに水をかけるのに夢中になってひっくり返ったらしい。大勢で川下りするとこういうことが起こって楽しいよね。

第2休憩ポイント、ここでたっけんが合流。そろそろお腹が空いてきたねぇ、ってビスケットに群がるこどもたち・・・あれだけお昼ご飯食べたのに。ちいさな体でのツーリングは予想以上に体力を消耗するらしい、ということにしておこう(笑)
そうこうしているうちにツーリングも終盤、善入島寺が見えてきた。ゆっくり下ってきたこともあってもう夕暮れ。上流には沈みゆく太陽。すばらしい景色の中、川を下るこどもたち。なんだか今年も終わりに近づいたなと思うと複雑な気持ちになった。

<飽食キャンプの予感>
川から上がったこどもたちが群がっていたのは、たつろうさん。保護者の方からいただいた魚を見事な手つきでさばいていたのです。いつも美味しいお魚をありがとうございますっ!ということで、夕飯はキッチン特製「みんな大好きおでん」に「お刺身!」が加わりこどもたちのお腹を満たしていったのです(この魚のアラで作った汁も美味!)。さらにキッチンには、大量のサツマイモ、栗などなど!・・・秋の飽食キャンプの予感。

<夜のイベント目白押し>
日もすっかり暮れお腹も満たされたころ、夜話のお時間。今回は校長自らのスライドショー!世界各国を旅した写真や想い出話はこどもたちにもスタッフにも面白い。見たこともない風景、聞いたこともない話。そして野田さんからこどもたちへのメッセージ。
「君たちも早く大人になるといい。」
「大人になると、全部自分で責任をとれる。誰にも文句は言われない。」
「大人になって、世界のあちこちを見に行くといい。」
こういった言葉を今の大人の多くは口にしないのではないだろうか。あれをするな、これをするな、勉強はしろと言われている(であろう)こどもたちには、とっても刺激的な言葉なんだろうな。そしてそれはスタッフにも、親の世代にも言えることなのかもしれない。
身の回りに色んな考えがあってそれに触れる機会があることは幸せなことだ。心が、気持ちが豊かになるのは、こんな出会いがあるからなのかもしれない。そう考えると自分たちが関わっている川の学校って色んな意味を持ってるんだなって思う。

「第8回わんわん吉野川ウルトラクイズ〜!」川の学校10年目にして8回目になるクイズ大会は夜話の興奮冷めやらぬままに開催された。上位入賞者にはわんわん自腹の十徳ナイフがプレゼントされるのだ。こどもたち+初スタッフのメンバーが挑み・・・第一問で多くの脱落者が出るなど波乱の末に優勝したのは、さき、そして2位はゆうみ、クロってスタッフばっかりだー!問題がちょっと難しかったかもね。でもこの後のじゃんけん大会で3人のこどもに賞品が渡ったことを明記しておこう。(そしてスタッフの賞品は来年のじゃんけん大会でこどもたちに渡ることになるであろう。)

キャンプ地の善入寺島、そこは竹林に囲まれた川中島。夜になれば、竹の葉が擦れる音ですら不気味である。聞くところによると、誰もいないはずの竹林から太鼓の音がするんだとか・・・。ならばやらねばなるまい肝試し! ルール@二人一組、Aヘッドライトは1つだけ、Bキャンプ地から入り口の鳥居までを歩いてもどる。ということで、おどかす側とおどかされる側に分かれてスタート! 悲鳴や笑い声がこだまする中、一番声が大きかったのは・・・ほかちゃん(スタッフ)かなぁ。普段は静かな善入寺島もこどもたちとスタッフの声で、やけににぎやかになるのでした。

<なんでもOK>
夜更かしOKの川の学校。十角テントでは薪ストーブの暖かさにすっかり寝てしまっている子が、でもその横ではカードゲームで盛り上がってる。ふと見るとアラコウが合流していた(もう夜の10時すぎ、でもそこまでして参加したい気持ち良くわかるよ!)。外で鳴り物が鳴れば阿波踊りが始まり、焚き火には人があつまり暖まり、話をし・・・やき芋、やき栗、やきオニギリ、さらに魚、バナナ、リンゴ、マシュマロってなんぼ食うねんっ! 中には徹夜するんだと頑張る子も(ほとんど撃沈したようだが)。暴力以外は自由、そして自分が決めたことすることには自分で責任をとるのが川の学校。でもあんまり夜更かしすると次の日遊べないよ〜。こんな感じでそれぞれが思い思いに過ごし、最後の夜は更けていくのでした…zzZ

11/7(日)2日目=最終日
<一足早い卒業式>
ほんとにほんとの最終日。朝4時前に目が覚める・・・雨だ(その後もうひと寝入りしたのだが)。「明日は朝7時に集合写真を撮るからね!」と言っていたのだが、7時過ぎに起きていたのはほんの数人。夜更かしがたたりましたな。なぜそんなに早起きするのか、実はたっけんが野球の試合に出るために早退しなければならないのだ。
なんとか雨も止みみんなが揃った7時過ぎ、集合写真を撮りたっけんの卒業式。1日目は遅れて合流し2日目は早く帰らなきゃならないなんて・・・野球頑張れよ!また遊ぼうな!

<獲ったら食う!>
8時、いつもより遅めの朝ごはん。川ガキどものエネルギー源は、さつまいもご飯にほうれん草いっぱいのポパイスープ!寒いからね、沢山食べようね。ご飯のあとは、さぁ、みんな何して遊ぶ?最後の遊びやでー!思いっきり楽しもう!
大半がテントや陸上で遊ぶというこどもたち、だって寒いもんね。それでも川に入るという子、いました!ウェットスーツに身を包みシュノーケルをしてヤスを手に川にもぐる。お目当ては巨大ナマズ?完全に河童だな。ということで、陸上班、突き班、対岸での釣り班に分かれて遊び開始。
陸上班は 野球、ラグビー、焚き火の周りでひたすら食べる、石の研究所(!?)、男のロマン?家作り、麻ひものペットボトルホルダー作り、焚き火で釘ナイフ作り・・・と遊びは無限大って感じで、ある子は「本部って何でもできるんだな、すごいな」って言ってたらしい。わたしは対岸で釣りをしてて、‘ひゅうが’いわく「そこそこ釣れた」。そのちかくの岩では突き班が潜ってて・・・大ナマズを突いてあがってきたのはやっぴー!
釣り、突き班は帰ってから獲物を調理。獲ったら食べるのが川の学校の基本。川の恵みをありがたくいただきます!釣り班の獲物は頭と内臓をとってカラ揚げに(ひゅうがの手つきはすばらしかった)、講師のみなさんにおすそ分けした後は自分たちで全部食べちゃった。ナマズはやっぴー特製たれで、しかも焚き火でかば焼きに。どちらも美味、そして自分で獲った魚は最高にうまかったね!

<もう終わり?>
お昼ご飯、これが10期のみんなで食べる最後の食事。メニューはじゃこ飯と徳島名物そば米汁、みんな郷里の味、徳島の味を忘れないでねー。ご飯を食べたら荷物をまとめ、テントをたたんで集合。そう、そろそろみんなとお別れのとき、卒業式です。

<大切にしてね>
卒業式にはスタッフお手製の記念品を用意。ひとつは竹で作ったネームプレート、手編みのひもも付いてるから肥後の守や自分の荷物につけて使ってね。そして1回目キャンプで使ったエビあみ。さらに「想い出よいつまでも」ということでアルバム。ページを開くと朝撮ったばかりの集合写真、写真の周りにはスタッフからのメッセージが所狭しと貼り付けてあります。そして背表紙には野田校長自筆のサイン「もっと川へ」のメッセージ付き!みんなの想いが詰まった記念品、大切にしてな。

<メッセージ>
吉野川シンポジウムを代表して釣り名人の玄さんからお祝いのお言葉。そして野田校長から記念品を手渡していただき、メッセージをいただいた。
こどもたちからみんなへの言葉。「ありがとう」「ありがとう」「また遊ぼう!」の声に涙、涙、なんだか保護者のみなさんの前ではやけに大人しい・・・鼻水ずるる。
スタッフ一人ひとりから、こどもたちへのメッセージ「楽しかった」「成長ぶりに驚いた」「また会おう!」「また遊ぼう!」の言葉に、また涙。
みんなで遊んだ半年間はあっという間に過ぎ、生意気だなと思った子がすごく素直になっていたり、頼りないなと思った子が頼もしく成長していたり、会うたびに背が伸びていたり(うらやましい)。時の経つのも、こどもたちの成長も早いよなぁ、はたして自分はこの半年間でどう変わり成長したのか。。。式の間こんなことを思いながら、巣立っていく河童たちを眩しく見ているのでした。

卒業式のはじめにわたしが言ったこと。
卒業式「卒業式はみんなとお別れする会じゃないんよ。『また会う』という約束をする場なんよ。」
・・・なんとか涙はこらえましたが、熱いものがこみ上げてきたのは誰から見ても明らかだったでしょう。

みんなまた会おうね! また遊ぼう! 川で!
 
     
 
報告:さぶちゃん(川の学校第10期スタッフ)