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第5回キャンプ 11月3〜5日(吉野川中流:善入寺島)
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第4回キャンプ 10月7〜9日(吉野川下流:第十堰)
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第3回キャンプ 8月18〜20日(吉野川上流:本山町)台風のため中止
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第2回キャンプ 7月15〜17日(鮎喰川)
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第1回キャンプ 6月17〜18日(吉野川下流:第十堰北岸)
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第5回研修 6月10・11日(直前ミーティングと研修)
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第4回研修 5月20・21日(講師から技術を盗め・日和佐編)
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第3回研修 5月3〜6日(吉野川カヌー川下りキャンプ研修)
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第2回研修 4月22・23日(野外生活技術・キャンプカウンセリング)
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第1回研修 4月1・2日(川の学校のねらい・第十堰の遊学)
第5回キャンプ 11月3〜5日
吉野川中流:善入寺島
ドッカーンと晴れ渡った善入寺島、雨風の心配はしなくていい、最終回の川の学校はそんな天晴れの中で始まった。
1年とは早いもので夏とは違い季節はもう秋、11月なのである。しかし、気温はみるみる上昇して20度を突破、もうそうなると子供達は黙っていない、「みんな揃うまで川で遊んでていい?」「ねえ、一緒に川で遊ぼうよ〜」「ちょっと見て〜俺の水切りうまくなったよ〜」川での遊び方を覚えた子供達は、一分一秒を惜しむかのように無邪気な顔で僕らを誘いまくった。
「よっしゃー遊びに行こう!」と言いたい気持ちを何度も抑えて、「みんな集まって、お昼を食べたら、みんな好きなことしていいからさ、もうちょっと待っててね」というのが精一杯だった。
みんなが集まって、えっ!?十画テントってこんなに狭かったっけ?最初に会った時より、大きくなっているみんな。日々成長しているみんなを見るとなんだか嬉しくなってしまった。
「さあ、遊ぶ前に自分達のテントを立てるぞ〜」声が掛かると、子供達がテキパキと次はあーして、こーしてと手際よくテントを設営していく。みんな早く組み立てて、ご飯食べて、遊びに行きたいのだ!
そうこうしている間にも気温はグングン上がり、23、4度位になっただろうか、空気は乾燥しているが、11月とは思えない日差しに川面がキラキラ光って、僕らを誘っている、僕らスタッフも子供達も気持ちは一緒!早く、川で遊びたい、自分の好きなことをしたい。
遊びの時間になれば、もう子供達は自由、カヌーしたり、釣り、11月なのに川の流れに乗って泳ぎ、その先の岩から飛び込む。
最初は水の冷たさに「きゃーきゃー」していても、スノーケルを付けての流れの気持ち良さを知っている。
川遊びに慣れた子供達はお手のもの、みんな夏のような満面の笑顔、陸に残った子供達もスタッフと一緒に様々な遊びをしている。竹細工やいもちゃん講師の土笛作り。
夕方は川、風の冷たさに早々と引き上げて、今宵の夜は屋台村にわんわんの吉野川ウルトラクイズとイベント目白押し、まず、屋台村の準備に班ごとに分かれ準備に掛かる。
クレープは早々に売り切れ、たこ焼きは大苦戦、あとに残った焼き鳥は成功、特別参加のラジオ局の人はトマトソースの何かを作っていた、なんだっけ!?その他も美味しく出来ていて、ランタンに照らされたみんなの顔が生き生きしていた。そりゃそうだ、美味しいものを目の前にしていたんだもんね。
そして、1日目最後のメインイベントが始まった。
わーわー、きゃーきゃーと歓声とも悲鳴ともとれそうな声が善入寺島全体に響いたことは間違いない、中にはわんわんが寝ずに考えた問題にケチをつけるブーイング紛いもあったが、まあ仕方ない。これは「わんわんの・・・」なのである。
約1時間半、続いたクイズの最後はスタッフが持ってきた景品の数々、みんな、なんだかんだ言いながらすべてが貰われていった。
寝るまでの自由時間、さすがは11月、川原での寒さは厳しく、早々に寝袋に入るか、焚き火に当たっていないと辛くなる。人が集まれば話が始まる、恋の話や怖い話・・・明日も明後日もあるんだから早く寝ようよ〜というスタッフの声を遮るように、「まだ眠くな〜い」「もうちょっと起きてる」などと疲れや眠気そっちのけで余裕のあるうちにいろいろ話しておきたいのだろう、きっと。
次の日も晴れ!!!冷え込んだ朝はまず焚き火から始まる。
しゅんすけに焚き木とマッチを渡し、火をつけてもらう。最後にはスタッフが手助けしてしまったが、子供達が自分で火をつける、こういうことを自然にやるのも川の学校。
朝から子供達は元気だったけど、さすがに川に入る人数は確実に減った。今回はいつもの遊びに標本作りやティピー作りが加わった。あれこれいろいろな遊びを知った子供達も興味津々といった様子で楽しんでいた。
午後は今日のメインイベント、カヌーツーリング。吉野川の上流約8キロから総勢47名、40隻の大艦隊。風も味方してくれたようで、順調に途中の休憩でおやつを食べたりしながら、下っていった。
漕ぐのに飽きた・疲れた子供達はスタッフが引っ張ったり、やっぴー、駒さんが乗り込んだラフトに乗せたり、上を向いて空を眺めたり、水中眼鏡で水の中を覗いたり、鳥の声がする方角に耳を澄ませたり・・・と思い思い楽しみながら下っていった。そして、夕闇迫り子供達が疲れきった頃、僕らのテントが見えてきた。とたん、最後の元気が出たのは言うまでもない。
帰ってきて早々、ともこが事情があって、先に帰ることになっていたのでスタッフと子供達みんなでアーチを作り、お見送り。そのアーチが途切れると迎えの車までまたアーチを作り、さよならをした。
(翌日の卒業式、ともこは来てくれた・・・すごく嬉しかった!)
その夜は最後に野田さんのスライドショーがあった。
世界の川、日本の川の貴重な写真の数々、おまけに野田さんの解説付き、しかし、カヌーツーリングの程よい疲れと、ご飯を食べた満腹感から、スタッフ、子供問わずうたた寝続出・・・。
寒いから寝袋に包まって見ていいよ!という野田さんの優しさが眠気に拍車をかけてしまったが、最後までスライドと話に惹きつけられたのは大人だけではなかったと思う。まだ見ぬ外国の風景や人物が子供達の目にはどう映ったのだろうか?
最終日も晴れ!!!しかし、冷え込んだ・・・。
さすがに疲れたのか子供達もなかなか起きてこない、もちろん寒いのもあるだろう。焚き火をするもみんなこそから動かない、太陽がすっかり昇り、やっと動き出す僕ら。そこにはなんとなく淋しさが漂っていた、今日が最後で卒業なんだと。
最後の遊びは心底自由だった。善入寺島をぶらぶら散歩したり、工作作ったり、川で遊んだり、釣りしたり・・・その他も。
子供達もスタッフもとてもいい顔していた。それは無理やり作り出したものではなく、心の底から楽しんでいる人間の顔をしていた。
お昼の時間、僕は卒業式までのインフォメーションをしたが、淋しくて仕方なかった。「ねえ、もう一日みんなで遊ぼうよ!」と言いたくて、言いたくて・・・でも、言えなかった。
テントの片付けもなんだか早すぎるくらいにテキパキと終わってしまい、子供達そして卒業式に参加する親御さん達が集まった。
野田さんから渡される卒業証書と記念品、味のある子供達からの一言が多く、エロ話を暴露されたスタッフがいたりと、笑いと涙の卒業式だった。
最後の記念写真、みんなの笑顔が輝く瞬間、みんなすごくいい笑顔だった。そして、子供達はそれぞれ家路につく、その姿を見えなくなるまで見送った。
子供達にとってはこれからまだまだ長い人生が待っている。そんな子供達にとっては川の学校はほんの一瞬の出来事だったかもしれない、しかし、その一瞬の出来事が将来、子供たちの将来を鮮やかに照らし出すきっかけになってくれたらと切に願う。
そして、10年後、20年後のみんなと会えたら、一緒に遊んでもらおうなどと、勝手に思ってみたりするのも僕の人生の楽しみの一つになった。
報告:ちゃむ(川の学校第5・6期スタッフ)